楽天も、ヤフーも…中国市場のネット通販から相次ぎ撤退

楽天は、中国本土で手がけるモール型ショッピングサイト「楽酷天(Lekutian)」を2012年5月末で終了する。市場参入から1年半余りだが、競争環境の激化で業況の改善が見込めないと判断した。
楽天は2010年10月に中国の検索大手、百度(バイドゥ)と合弁で新会社を設立し、模倣品対策などに重点を置いて事業(関連記事)を展開してきた。
ヤフーが中国ネット通販最大手の淘宝(タオバオ)と始めた「淘日本(タオジャパン)」などとともに、日本の大手ネット企業が中国の通販市場で地歩を固められるかどうかの試金石になると見られていた。
しかし、すでにヤフーも淘日本を閉鎖すると決定。今回楽天も後を追うように楽酷天の閉鎖を明らかにした。
楽天によると、背景にあるのは2011年から続いている、中国のインターネット通販事業に対する投資熱と、それに起因する競争環境の激化だ。あおりを受けた楽酷天の業容は計画を下回る形で推移しており、楽天では今後の事業展開について百度と協議したが、業況を抜本的に改善させることが困難と認識してサービス終了を決めた。
楽天の2012年1―3月期決算で子会社株式、固定資産の減損処理を行うが、影響は軽微と見込んでいる。楽天から合弁会社への出資額は累計約8億6000万円という。
なお「旅之窓」「快楽e行」など中国で運営する旅行予約サイト事業や、北京の子会社China Rakuten Network Science and Technologyのシステム開発業務などは今後も継続する。さらに中国でネット通販事業の環境が安定した後は、再び同分野に参入する機会を探る考え。
(植木 皓=ニューズフロント)

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