楽天三木谷氏、田中投手の格安メジャー移籍を容認-苦渋の決断

 12月25日(ブルームバーグ):プロ野球楽天は田中将大投手の大リーグ挑戦を認めると発表した。新移籍制度の下では、チームを日本一に導いた主力投手の格安譲渡となり、球団オーナーを務める日本最大の電子商店街、楽天の三木谷浩史社長にとっては苦渋の決断となった。
楽天の立花陽三社長は25日、球団事務所で記者会見し、「田中選手のメジャー挑戦の希望を容認し、ポスティングシステムの申請を行うことになった」と発表した。田中投手のこれまでの貢献を高く評価し、三木谷オーナーがこれを容認する決断をしたという。
17日に発効した新移籍制度では日本の球団から米チームに選手が移籍する際、日本側に支払われる譲渡金に2000万ドル(約21億円)の上限が設定された。旧入札制度ではダルビッシュ有投手のケースなど5000万ドル超が日本のチームに支払われたこともあったが、早稲田大学スポーツ科学部の原田宗彦教授によると田中にはそれらを上回る可能性があったという。制度の変更とはいえ、三木谷氏にとって田中の希望を叶えることは大幅な割引価格で選手を手放す結果となった。
「田中投手の価値は100億円に届くかもしれず、新制度で大リーグ側はほっとしているだろう」と原田教授は語る。楽天は田中を大リーグに「出すメリットがなくなってきた。田中投手は稼げるし、スポンサーもつくし、冷静に考えたら出すのをやめようとなる」として、「新制度では田中選手のような良い選手にとって海外移籍のハードルが高くなった」と述べた。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 山口祐輝 ,yyamaguchi10@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 ,yokubo1@bloomberg.net

タイトルとURLをコピーしました