楽天取扱高、初の1兆円突破 スマホ効果、ネット通販拡大

■4年連続で営業益最高
 ネット通販最大手の楽天が13日発表した平成23年12月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前期比11・9%増の713億円となり、4年連続で過去最高を更新した。スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット型端末の普及を背景に、主力の「楽天市場」などの取扱総額は初めて1兆円を突破した。
 売上高は9・8%増の3799億円、経常利益は10・5%増の688億円で、いずれも過去最高。ただ、不振のクレジットカード事業再編にともなう特別損失840億円を計上したため最終損益は11億円の赤字だった。最終赤字は3年ぶり。
 三木谷浩史社長は会見で、「1兆円の次は10兆円を目指したい」と述べ、収益と利用客をさらに3倍に伸ばす目標を表明した。
 また、海外事業をさらに強化し現在10%の海外の売上高比率を将来的に90%まで引き上げる方針を示した。
 調査会社の富士経済によると、携帯電話を含むインターネット通販市場は昨年が前年比11%増の約3兆7千億円に拡大。通販市場全体(約5兆7500億円)の6割超を占めた。
 若年層を中心にスマホなどの携帯端末による利用が急増していることが市場拡大を牽引(けんいん)している。
 ただ、ネット通販は検索による価格比較が容易なため、消費者は最も安い価格で購入できることから、「デフレを助長している」との指摘もある。

タイトルとURLをコピーしました