信号のない横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいても、8割のクルマが止まらない実態が明らかに(画像:JAF)。
JAF(日本自動車連盟)は2020年10月16日(金)、「信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査」の2020年版の結果を発表しました。
この調査はJAFが2016年から毎年行っているものです。信号機のない横断歩道を歩行者が横断しようとしている場合、クルマは一時停止しなければなりませんが、今回、調査対象となった車両9434台のうち、歩行者がわたろうとしている場面で一時停止した車は2014台(21.3%)だったそうです。前年の調査時と比べて4.2ポイント増加したものの、依然として約8割のクルマが止まらない結果となりました。
都道府県別の一時停止率ベスト5、ワースト5は次のとおりです。
●ベスト5
・長野:72.40%
・兵庫:57.10%
・静岡:54.10%
・新潟:49.40%
・島根:43.20%
●ワースト5
・宮城:5.70%
・東京:6.60%
・岡山:7.10%
・富山:10.70%
・徳島:11.80%
2019年調査時と比べると、ベスト5の都道府県は順位の変動はあるものの変わらず、1位の長野は2016年の調査開始時から5年連続で1位をキープし、一時停止率も過去最高を更新しています。
一方、前回42位だった宮城県は今回、前回調査より1.7ポイント下がってワーストに。岡山も6.3ポイント下がってワースト3位になりました。ちなみに、前回において一時停止率3.4%でワーストだった三重県は今回、27.1%で14位になるなど、順位を大きく変動させた都道府県もあります。
なお、今回の調査は2020年8月12日から26日のうち、平日10時から16時のあいだに実施。各都道府県で2か所ずつ、信号機が設置されていない横断歩道を一定の条件でピックアップし、JAF職員が1か所につき50回横断して、接近する車両が一時停止するか否かを調べたものです。
JAFがこの調査を始めたのは、「交通マナーに関するアンケート調査」(2016年6月)で、「信号機のない横断歩道で歩行者がわたろうとしているのに一時停止しない車が多い」と思う人が86.2%を占めていたことがきっかけです。それから5回の全国調査を経て、一時停止率は年々向上しています。JAFは「横断歩行者の事故や死傷者の減少の一助となるよう『信号機のない横断歩道』における車の一時停止率の向上をはかって参ります」としています。