櫻井翔ラグビーアンバサダー続投もくすぶる「火種」 人権意識高い欧州勢がカギ

 日本ラグビー協会がジャニーズ事務所所属の櫻井翔(41)が務める「ジャパンラグビーアンバサダー2023」の続投を決めたことで、開催中のラグビーW杯フランス大会でも影響が出てきそうだ。フランスではジャニーズ事務所の性加害問題を受けて櫻井のアンバサダー起用が批判されており、一連の問題を最初に報じた公共放送局「BBC」がある英国をはじめ、欧州を中心に出場各国が問題視する懸念も出ている。 【写真】元気だった頃のジャニー喜多川  櫻井は5月、フランスW杯に出場するラグビー日本代表の認知度向上などを図るアンバサダーに就任。W杯終了後の11月20日までの契約期間で、W杯の盛り上げなどを目的に各種イベントに出演してきた。  だがジャニーズ事務所の性加害問題が世界各国で注目を集めるようになり、W杯開幕前には開催国フランスの大手紙「ル・モンド」が「事務所の創設者であるジャニー喜多川氏による虐待が疑われているにもかかわらず、櫻井氏はBBCがスキャンダルを暴露して以来、被害者に対する真の支援を表明したことは一度もなかった」と猛批判。W杯と絡めてアンバサダーの資質を疑問視した。  こうした問題を受けて、ラグビー協会が櫻井との契約について回答。「このたび櫻井氏の所属事務所が認めて謝罪した性加害の問題は遺憾であり、当協会では断じて容認するものではなく、今後の事務所の対応に注視してまいります」とした上で「一方、このたびの事務所の社会的責任と、櫻井氏個人の活動は、切り離して考えています。櫻井氏は元ラグビー競技者としてまたラグビーファンとして、常にラグビーを応援し続けてこられており、着任いただいているジャパンラグビーアンバサダー2023の役割に現時点で変更予定はありません」と櫻井のラグビー界における功績を強調し、アンバサダー続投の方針を明言した。  協会が正式に続投の判断を下したことで、櫻井は今後もW杯を盛り上げていくことになるが、懸念されるのが今後の出場各国の動きだ。  スポーツの国際大会に携わってきた大手広告代理店関係者は「海外でもジャニーズの性加害問題への関心は高まっている。主催側(ワールドラグビー)が口を出すことはないだろうが、サッカーW杯の時のように出場国、特に欧州の協会や選手から抗議など何らかのアクションがあってもおかしくない」と指摘する。  昨年行われたサッカーW杯では開幕前に開催国カタールでの人権問題が批判を浴び、出場国から抗議が続出。フランスやドイツでは抗議活動が広がり、欧州の10協会が国際サッカー連盟(FIFA)に対して人権問題改善の行動を起こすよう求める書簡を提出する事態に発展した。  今回の件も大手メディアが声を上げた開催国フランスや、BBCがジャニーズ性加害問題の発端となる報道を行って〝発信地〟でもあるイングランドなどが櫻井のアンバサダー起用を大会期間中に問題視する可能性があるのだ。  ジャニーズの性加害問題が、ラグビー日本代表の快進撃に水を差すことにならなければいいが…。

東スポWEB

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