歯応えも最高、一石三鳥のワカメ二期作

全国3位のワカメ生産量を誇る徳島県は、養殖ワカメの二期作の実用化に向けた実証実験に取り組んでいる。実験は昨年に続き2回目。県によると、実用化されれば全国初となる。関係者は「新たな産業として定着し、地域の振興につながれば」と期待している。
 県水産研究所によると、通常の養殖ワカメは11月中旬に海上の養殖棚に種付け。1月下旬~3月にかけて2~3メートルに成長したワカメを収穫する。
 実験中の二期作では、11月中旬に棚の半分に種付けし、12月下旬~1月上旬に30~50センチ程度の若いものを収穫。棚の残り半分には12月に種付けし、2~3月に再び収穫する。
 通常、ワカメは葉と堅い茎を分けるが、二期作では若くやわらかい状態で収穫するため、茎ごと食べられる。湯に入れると茶褐色が鮮やかな緑色になり、歯応えがよく、ポン酢が合うという。
 昨年の実験では無事収穫でき、来年も実験を続けて実用化を目指す。今後は販売方法の確立などが課題という。
 実験に参加している徳島大大学院の浜野龍夫教授(水産増殖学)は「葉と茎を切り分ける作業がなくなれば省力化につながり、高齢化が進む生産者の負担を軽くできるのでは」としている。

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