昨年の暮れに「日本人観光客にも反日捏造史観を押しつける韓国」という投稿をアゴラにしたのだが、これは、このほど発売になった、『捏造だらけの韓国史 – レーダー照射、徴用工判決、慰安婦問題だけじゃない』(ワニブックス)の執筆に当たって、新羅と百済の遺跡をまわるために旅行代理店の団体旅行に参加したときの感想だった。
ソウルの「光化門」(写真AC:編集部)
韓国旅行については、修学旅行の高校生が土下座させられたとかいう噂も流れるほどで、ガイドの反日的説明が聴くに堪えないという話もあったので、それを聴きたいというのも目的だった。
実際に参加して話を聞いていると、日本から来た観光団に社交的配慮もなにもなく、日韓関係が悪いのは、全部、日本のせいだといわないといわないと気が済まない様子。「徴用工判決で日本では騒いでいるようだが、騒いでいるのは日本だけ。こっちは何にも思ってないから、観光に来ても大丈夫」と威張って言う。
そして、歪曲されたデタラメな歴史を延々と聞かせる。その場で騒ぎを起こしても仕方ないので、呆れながらも大人しく聴いていたが、本当に残念だったのは、謝罪強要のひどいウソ八百を聞いた日本人が「知らなかった」「やっぱり日本はひどいことしたのか」という感じになることだった。
韓国名物カムジャタン(写真AC:編集部)
食事の席でも、「本当に気の毒なことしたのだから、韓国の人が反日になっても仕方ないわね」「もとはといえば、先進国だった韓国から日本は文化を教えてもらったんだものね」「天皇陛下の先祖も韓国から来たんでしょう」とかいう会話が聞こえてきて不愉快きわまるが、ここは我慢で静かにしていた。
日本と韓国では教育のなかでの日韓関係に割く時間の比重がまるで違う。しかも、日本は近隣国条項で近現代史について中韓に配慮している。しかも、エスカレートして古代史まで同様の精神が持ち込まれて、韓国の国会が「任那」という言葉を使うなと決議したら教科書からどんどん任那の話が消えつつある。
韓国では伽耶といっているからそう呼べというのだが、当時は日本領で任那と呼ばれていたのだから、その任那を侵略した国が現在どう呼んでいるかなど知ったことではないはずだ。
さらに、うっかりすると、公立学校にまで韓国人の先生がいたり、在日の子弟がいると、彼らに配慮して日本の学校として当たり前のことを避けることもあるようなところもあるようだ。外国籍の先生がいるから、生徒がいるからその国の国民に対する教育が疎かになる国が世界のどこにほかにあるだろうか。
ともかく、日本人は日韓関係について、韓国人と同じくらい勉強し、本当の歴史と日本国家が過去と現在において主張してきたことをまず知るべきだ。別に韓国の言い分がただしいと思う日本人がいても構わないが、それは、まず、日本の言い分を知り理解した上であるべきだし、韓国人や第三国の人たちに、日本政府の立場を説明できることも大事だ。
新羅時代に建立された仏国寺(Wikipedia:編集部)
そういう準備なしに韓国に行って、与太話を黙って聞いて洗脳されるのは絶対によろしくない。行く前に、しっかり負けないように勉強してからにすべきだ。とくに、修学旅行でこどもたちを韓国へ連れて行くなら、よほどしっかり、捏造された歴史に安直になびかないように準備してからでなくてはやめたほうがよい。
また、あまり一方的なガイドの話など聞かせないような配慮も必要で、海外への修学旅行には、PTAからも誰かついて行くべきではないかと思う。
今回の本は、韓国史について三冊目だ。「誤解だらけの韓国史の真実 」(イースト新書)は、中立的な立場から書くことに努めコンパクトだが情報量が多い。「韓国と日本がわかる最強の韓国史」 (扶桑社新書)は、日本のサイドから見た通史だ。
そして、今回の『捏造だらけの韓国史 – レーダー照射、徴用工判決、慰安婦問題だけじゃない』(ワニブックス)は、逆に現在の問題から出発して過去の歴史に理解のヒントを見つけようというもので、もっとも、分かりやすいと思う。
ともかくなんでもいいから、一冊、向こうの立場でなく、日本の立場で書かれた韓国史を読んで、彼らの愛国史観に騙されないことが大事だと思う。