遠野市でこの夏に収穫されたホップを使うキリンビール「一番搾り とれたてホップ生ビール」の仕込み式が19日、仙台市宮城野区の同社仙台工場で行われた。商品は今年、発売20年目を迎える。さらに今年は同工場の操業100周年、遠野市での契約栽培開始から60周年の節目でもあり、関係者は一層の協働を確認した。
工場スタッフや流通関係者のほか、多田一彦遠野市長、安部純平・遠野ホップ農業協同組合長らが参加した。熱気のこもる場内で、代表者がホップを両手ですくい、香りを確かめながら煮沸釜に投じた。
遠野市での契約栽培は1963年に始まった。今年は猛暑で収量がやや落ちたが、品質は良好という。安部組合長は「キリンビールと生産者が一体となって取り組んでいる」と歩みを振り返り、末武将信工場長は「遠野の皆さんと共に、さらにおいしい一杯と喜びを消費者に届ける」と誓った。
「とれたて-」は収穫後24時間以内の生のホップを特許技術で凍結、粉砕して用いるのが特徴で、2004年から季節限定で展開している。今年は11月7日に全国で発売。仙台工場からは約18万1000ケース(大瓶換算、1ケース20本)の出荷を予定している。