毛髪の大本になる細胞が作り出すコラーゲンに、脱毛や白髪を防ぐ役割があることを、東京医科歯科大の西村栄美教授らが突きとめた。
脱毛などの治療法開発が期待されるといい、4日付の科学誌「セル・ステム・セル」に発表する。
研究チームは、毛髪を作る角化細胞など各種細胞を製造・供給する「 毛包 ( もうほう ) 幹細胞」という細胞に着目。この細胞は同時に、「17型コラーゲン」というたんぱく質も作っており、研究チームがマウスを遺伝子操作してコラーゲンを作れないようにしたところ、生まれてから約半年後に通常は黒い毛が白く変わり、10か月後までにはほとんどが抜けてしまった。
このコラーゲンは人間の脱毛や白髪の治療などにも応用可能とみられるが、人工的に化学合成できない。
このため、同種のコラーゲンを作る人間の遺伝子を、自身ではコラーゲンを作れなくしたマウスに導入したところ、黒い毛がふさふさと生えてきた。
西村教授は「コラーゲンを作る仕組みがわかれば予防や治療につながる」と話している。