気になる症状・体調でごはんを選んでいますか

咳が出るときには、カリン漬けの汁を飲ませてもらったり、風邪気味のときにはネギがたっぷり入った味噌汁を作ってもらったり……。
子どもの頃から、体調が悪いときに母親がよく作ってくれるものは、なんだかとっても美味しく・良いものに思えた。
自分自身、子どもの鼻水が出るときにはレンコンたっぷりのスープを作ったり、お腹がスッキリしないときには味噌汁に大根を入れたりするけれど、こうした「体調に合わせたごはん」というのは、昔から各家庭で自然に作られていた気がする。
近年はマクロビオティックが注目されたり、漢方薬膳なども人気となっているが、やっぱり基本は毎日の食事。「健康のため」ばかりでなく、どうせなら美味しく、できれば簡単に取り入れたいというのは誰もが思うことではないだろうか。
そんな「日常の食事」に着目した本が、『おいしく食べてカラダに効く! クスリごはん』(ヘルシーライフファミリー編/リベラル社発行)だ。
きっかけについて、担当編集者は言う。
「ナチュラルなくらしや無添加の食事をしたい人、自然な生き方をしたいという人が近年増えているなか、『なるべくクスリを飲まずに健康になりたい』という思いが高まっています。自分の周りにもマクロビオティックの教室に通う人などいて、野菜ばかりでなく、肉や魚も含めて自然のモノを取り入れようというコンセプトで、この本を作りました」
食材やレシピのセレクトは、「冷蔵庫や身のまわりにある食材」「誰もがかかる・なるだろう症状」「3~4工程ですぐ作れるもの」を基準にしているのだとか。
実際、自分もこの本を購入して帰宅した際、おなかを壊していたため、症状から調べてみると、すぐ目についたのが「ハチミツ緑茶」だった。
必要なのは、緑茶とハチミツだけ。さっそく作って飲んでみると、冷えと食事のもたれでゴロゴロするおなかに、甘くあたたかい飲み物がやさしく入ってくる。
さらに、頭痛が気になり、これまた家にあったタマネギで「タマネギのみそ漬け」を、疲れた肌のために「ミニトマトのはちみつマリネ」も作り置きしてみた。
本書では「かぜ・アレルギーに効く食べものとレシピ」「疲れに効く食べものとレシピ」「胃腸・泌尿器に効く食べものとレシピ」「美容にいい」「婦人病に」「子どもの病気に」など、カラダの症状別に食材・レシピが紹介されているのだが、嬉しいのは、どれも家に常備されているような普通の食材で、ごく簡単に作れるものばかりだということ!
しかも、日頃から当たり前に作っている料理もあり、「あ、これって、○○のときにちょうど良いんだ」「だから、食べたくなるんだな」などと再発見することもたくさんある。
特別なモノも煩わしい手間も不要の「クスリごはん」。日常に取り入れてみませんか。
(田幸和歌子)

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