宮城県気仙沼市内湾地区のにぎわい創出を図る社会実験が24日、地区内の南町などで始まった。約4年後、地区に隣接する八日町から内陸部への市役所移転を見据えた試み。市道の歩行者天国化や港町らしい海上アクティビティーを10月16日まで行い、効果を検証する。
市役所移転見据え検証
実施主体は市と、市役所移転後の地域の魅力向上を検討する官民組織「気仙沼まちなかエリアプラットフォーム」。「わくわく大作戦2022」と題して事業を展開する。
「海の見える道」と称する歩行者天国はコミュニティー施設「拓(ヒラケル)」とスローストリート「結(ユワエル)」の間の55メートル。期間中は路上に飲食ができるテーブルを設ける。
南町海岸の岸壁には木-日曜午前10時~午後4時、「内湾SEAパーク」を開設。海上に2・5メートル四方のフロートを浮かべ自由に飲食ができる水上ピクニック(定員4人、1時間2000円)や、水上自転車(2人乗り、30分1500円)などを楽しめる。
木-土曜の午後5~10時は、停泊する遊覧船内を利用した「海上レストラン」を開き、デッキで内湾の夜景を眺め食事ができる。
時折雨が降った初日は飲食スペース設置や海上アクティビティーの実施が見送られ、人出もまばらだった。市都市計画課の佐藤勉課長は「漁業者の理解もあり、気仙沼ならではの取り組みに挑戦できる。民間事業者と新しい街の景色をつくりたい」と話した。
各事業の恒常化に向け、市は期間中の売り上げや周辺店舗と利用客へのアンケートで効果を調べる。