気仙沼市とアイリスオーヤマは24日、包括連携協定を締結した。企業のノウハウやネットワークを生かし、市の災害や環境対策、産業振興などの取り組みをサポートする。同社が拠点を構える立地自治体以外と協定を結ぶのは初めて。
連携事項は「防災・減災」「持続可能な地域づくり」「スタートアップ(新興企業)支援」など6項目。具体的には、災害時や感染症流行時の必要物資の供給協力、市内への企業誘致の推進などを挙げた。
市役所で書面を交わした菅原茂市長は「地域課題の解決を加速させたい」と述べ、大山健太郎会長は「防災に強いまちづくりに貢献したい」と語った。
両者は東日本大震災を機に関係を深めた経緯がある。大山会長は産学官連携で被災地再生を支える「東北未来創造イニシアティブ」の代表発起人として、2013~16年に同市や南三陸町の経営者を対象にした「人材育成道場・経営未来塾」の塾長を務めた。
大山会長は「いろいろな地域から(締結の)話があるが、気仙沼市は(震災後の経緯もあり)優先順位の1位だった」と話した。
同社と自治体の包括連携協定は、本部機能がある角田市、本社を構える仙台市、工場がある静岡県の裾野市と物流拠点の整備を予定する御殿場市に続き5例目。締結式に続き、未来塾の卒塾生が事業の進捗(しんちょく)を発表する報告会もあった。