厳冬の気仙沼港を温かな光で包む「気仙沼クリスマスイルミネーション」プロジェクトが、苦境に立たされている。昨年は募金や協賛金が思うように集まらず、大幅な赤字に陥った。29日の開幕を前に、実行委は「冬の観光イベントとして定着させたい」と市民の協力を呼び掛けている。
イルミネーションは東日本大震災からの復興に向かう街に「希望の光」をともそうと、2012年に始まった。2回目の昨年は、フェリー乗り場周辺の道路や商店に約30万個の発光ダイオード(LED)を設置した。
設置費用など約1000万円の事業費に対し、市民からの募金は約50万円しか集まらず、企業の協賛金も不足した。最終的に市民有志でつくる実行委メンバーが赤字の約400万円を穴埋めした。
ことしも30万個のLEDを来年1月9日まで点灯させる。資金確保に向け、市内の商店やコンビニなど計20カ所に募金箱を設置したほか、29日の点灯式では、1人当たり1000円程度の協力を求める考えだ。
宮井和夫実行委員長は「震災で真っ暗になった街を子どもたちに見せたくないとの思いでスタートさせた。冬の観光イベントとして続けるため、市民からの善意が頼みの綱だ」と訴える。
点灯式は29日午後7時、気仙沼市港町の物産販売店「気仙沼お魚いちば」駐車場である。
昨年に続き、ディズニーアニメ映画「アナと雪の女王」の主題歌を歌うMay J.(メイジェイ)のチャリティーライブがある。30日からの点灯時間は午後6~10時。
14~16日にはLEDの設置作業があり、ボランティアを募集している。連絡先は実行委070(6486)3108。