宮城県内トップを切って29日朝、気仙沼市の気仙沼港にサンマ約5トンが水揚げされた。昨年より24日早く、8月の初水揚げは3年ぶり。魚体はまだ小さく、市場関係者は今後の漁模様に期待を寄せた。
水揚げしたいわき市の第15庄光丸(199トン)の佐々木義文漁労長(42)=南三陸町=は「去年より魚群は見えるがまだ小さい。これから良くなると信じる」と話した。魚体は80グラムほどが主体で、入札価格は1キロ平均369円。過去最高の1760円を記録した昨年を大きく下回った。
ロシアのウクライナ侵攻で安全面からロシアの海域を避け、漁場まで半日余分に時間を要したという。近年続く不漁に加え燃油高騰の負担も増している。
落札した気仙沼市の水産加工会社「阿部長商店」の阿部泰浩社長(58)は「サンマの価値を高め、船の苦労に応えたい」と述べた。
気仙沼港の昨年の水揚げ量は2222トンで、2年連続で過去最低を更新した。