バス高速輸送システム(BRT)によるJR気仙沼線の仮復旧で、JR東日本がBRTの運行を宮城交通グループのミヤコーバス(仙台市)に委託する方針を固めたことが24日、分かった。既に協議が始まっており、不通となっている柳津(登米市)-気仙沼間で年内に運行を始める。
BRTはJRの直営との位置付けで、ミヤコーバスはあくまで運転業務だけを担う方向。JRは70人乗り程度のBRT専用バスを用意する。東北運輸局にバス事業の認可を申請後、正式に委託契約を結ぶとみられる。
ミヤコーバスは柳津-気仙沼間を走る路線バスも運行しており、BRTが始まれば競合する。JR仙台支社によると、委託は「民業圧迫を避けるため」という。
加えてBRTの運賃は「(これまでの)鉄道料金がベース」(里見雅行仙台支社長)で、柳津-気仙沼間は震災前の片道950円前後となる見込み。同区間片道1500円の路線バスとの間で、格差が生じ、ミヤコーバスの運賃収入に影響することも考慮したようだ。
JRグループでは、ジェイアールバス東北(仙台市)が東北でバス事業を展開しているものの、JR東日本による直営運行は今回が初めて。仙台支社は「当社にノウハウが無かったことも委託理由の一つ」としている。
JRは21日、気仙沼市の陸前戸倉-最知間で、BRT専用道の整備工事に着手しており、9月末までに完了させる予定。運行では専用道と一般道を併用する。