南米沖の太平洋で海面水温が平年より低い状態になっていることから、気象庁は「ラニーニャ現象が発生しているとみられる」と発表しました。
「ラニーニャ現象」は南米・ペルー沖の赤道付近の東太平洋で海面水温が平年より低くなる現象で、世界の天候に影響を及ぼすと考えられています。
気象庁によりますと、この海域ではおととしの夏からことしの春にかけて海面水温が平年より高くなる「エルニーニョ現象」が続いていましたが、その後、徐々に下がり、ことし7月と先月は平年より0.5度以上低くなり、今後も低い状態が続くとみられるということです。
このため気象庁は9日、「ラニーニャ現象が発生しているとみられる」と発表しました。ラニーニャ現象が発生するのは、6年前の平成22年の夏から翌年の平成23年の春にかけて発生して以来で、ことしの冬にかけて続く可能性が高いということです。
気象庁によりますと、過去の観測データなどから、ラニーニャ現象が起きると日本では平年に比べて秋は気温が高く、冬は低くなる傾向があるということです。
気象庁気候情報課の安田珠幾エルニーニョ情報管理官は「ラニーニャ現象の影響で、この秋は残暑が厳しい状態がしばらく続く可能性がある。南米沖の海面水温は平年との差はまだ小さいが、今後拡大しないか注意深く監視したい」と話しています。