水揚げ昨年の51%どまり 9月・宮城の主要4漁港

 宮城県内の主要4漁港(塩釜、石巻、女川、気仙沼)での9月の水揚げ高は、前年同月の51%にとどまったことが27日、県の調べで分かった。漁獲物を受け入れる水産加工施設や冷凍・冷蔵庫の復旧が進まなかった。県は、漁業者に共同利用施設などへの補助制度活用を促し、早期の体制整備を目指す。
 4港の9月の水揚げ高は計1万3076トン。6~7月に各地の魚市場が再開したが、4~9月は前年同期間の19%までしか回復していない。
 9月の水揚げ高の前年同月比を港別にみると、比較的被害が小さかった塩釜が5%増。主力のマグロが水揚げされたほか、震災前まで県内の他漁港に入港していた船が、水揚げ先を塩釜に変更するケースが相次いだ。
 壊滅的被害を受けた女川は76%の減となった。サンマやサバを中心に水揚げされたが、多くの冷凍・冷蔵施設が復旧していないため、鮮魚での流通が主力だった。
 沖合底引き網が主力の石巻は60%減。市内のすり身工場が復旧しておらず、タラ類の買い手は女川の加工業者などに限られた。スルメイカやキチジは、鮮魚として流通させているという。
 気仙沼は、戻りガツオを中心に前年同月の61%の水準にまで戻した。冷凍・冷蔵施設の復旧は遅れているが、仲買人らが水揚げ高の回復に全力を挙げた。
 鮮魚での流通には数量や用途に限界があるため、県は「冷凍・冷蔵施設などの復旧が急務。共同利用施設の補助制度などを活用してもらい、受け入れ態勢の整備を急ぐ」としている。

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