水揚げ自粛 魚種・海域別に セシウム一律線引きせず

 宮城県は21日、福島第1原発事故による水産物の放射性物質汚染の対策として、魚種や海域ごとに放射性セシウムの検出データを検討し、水揚げ自粛などを判断する方針を明らかにした。数値基準を決めて自粛を要請するより、実効性のある対応につながると判断した。
 国の放射性セシウムの基準値は4月、1キログラム当たり500ベクレルから100ベクレルに厳格化される。県や生産者団体、流通関係者は「県水産物放射能対策連絡会議」を23日に設置。新基準値への対応を協議しながら、水揚げ自粛要請の判断をしていく。
 国の原子力災害対策本部が示した検査体制の強化に対応するため、県はこれまでの検査で50ベクレルを超えたことのある魚種を新年度以降、週1回、宮城県沖の7海域ごとに精密検査する。
 100ベクレル以上を測定した場合、県はその魚種の出荷自粛を漁業団体に要請する。100ベクレル未満の場合、周辺海域や魚種ごとの測定状況を踏まえ、連絡会議が出荷自粛や再検査などの是非を個別に検討する。
 水揚げ自粛の対象となった魚種は、漁獲した魚を漁船上で選別。原則として再放流する。

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