東日本大震災で全壊した気仙沼漁協(宮城県気仙沼市)の製氷工場に代わる新たな製氷・貯氷施設が気仙沼市朝日町に完成し、4日に試運転を始めた。設計会社によると、1日110トンの製氷能力は東北最大規模という。
施設は6階建てで、延べ床面積は約7300平方メートル。1日の製氷能力は角氷が70トン、砕氷40トン。貯氷能力は3700トンで、旧施設の2倍近く。市内全体の貯氷能力は5700トンとなり、震災前の水準まで近づいた。
気仙沼漁協が国や県の補助事業を活用して約20億円で建てた。10月中旬にも本格稼働に入り、戻りガツオやサンマ漁に対応する。
完成検査があり、細かく砕かれた初氷がトラックに詰め込まれる様子を関係者が見守った。同漁協の佐藤亮輔組合長は「立派な施設に仕上がった。魚の水揚げに氷は欠かせないので、大きな力になる」と話した。