水産物購入でスーパーのポイント上乗せ 宮城県、公金活用しキャンペーン

新型コロナウイルス下で苦境に立つ漁業者や水産加工業者の経営安定を図ろうと、宮城県は、県産の水産物と水産加工品の消費拡大キャンペーンを今月末まで展開している。東北のスーパーと連携し、買い物をした際に付与されるポイントに上乗せする。上乗せ分に公金を活用する珍しい取り組みだ。

ポイントが上乗せされたカキなどが並ぶ水産売り場=仙台市泉区のみやぎ生協南光台店

笹かまやおでん、メカブなど162品目対象

 みやぎ生協とヤマザワ、イオン東北3社の計264店舗(うち県内82店舗)で実施。対象商品は計162品目で笹かまぼこやおでん、メカブなど。500円未満が中心で、購入時に200ポイントを上限に上乗せする。

 県によると、3日時点では例えば、みやぎ生協の志津川湾産生食用カキ(税別298円)に100ポイント、ヤマザワの金華あぶり締めさば(同598円)に200ポイント、イオン東北のマグロ切り落とし(同398円)に150ポイントが付く。

 1月下旬に始めたみやぎ生協では通常なら多くても20ポイント程度だが、旬の商品を軸により多くのポイントを設定。試したことのない品を買う顧客もいて、対象商品の売れ行きは対象外の2倍近いという。

 水産部門でバイヤーを担う太宰朋仙(ともひさ)さん(44)は「これだけ大きな規模でポイントを付けて商品を回す経験は初めて。コロナ下で苦労している地元の生産者やメーカーをバックアップしたい」と話す。

 ヨークベニマルも16日以降にキャンペーンを行い、県内外の233店舗で22品目を対象とする計画だ。

 県内では新型コロナの影響で飲食店や観光の需要が低迷し、水揚げされた魚介類や水産加工品も販路が狭まっている。県は昨年の県議会11月定例会で、国の地方創生臨時交付金を財源とするキャンペーン事業費2億3850万円を確保。対象商品のポイント上乗せ分や広告宣伝費に充てる。

 県水産業振興課の担当者は「スーパーは食料品の巣ごもり需要などに対応し、感染拡大時でも比較的売り上げが安定している。キャンペーンが漁業者や加工業者の販路開拓にもつながればいい」と期待する。

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