水道光熱費、 仙台は高い?安い? 意外に大きい地域差、調べてみた

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 電気代やガス代、水道代といった公共料金はどこに住んでいてもかかるものですが、地域差は案外小さくありません。宮城・仙台は他地域と比べて、高いのか安いのか調べてみました。(編集局コンテンツセンター・佐藤理史)

年間27万1181円で全国14位

 都道府県別の物価水準の格差を示す「消費者物価地域差指数」。総務省の小売物価統計調査(構造編)で公表される。最新2020年の「光熱・水道」は全国平均を100とした場合、宮城は103・5。高い順から22位で、やや割高な水準といえる。

 最も高い北海道が116・6、最も低い兵庫は93・3。つまり宮城は兵庫と比べて11%高く、北海道と比べると11%安い。東京は94・7(43位)。地方間では、近畿や東海が安く、東北、中国、四国が高い傾向が見てとれる。

[東北各県の「光熱・水道」指数]
 (2)山形 112.2
 (5)岩手 111.7
 (7)青森 110.8
 (8)福島 110.2
(10)秋田 107.9
(22)宮城 103.5
(全国平均=100)日本地図で見る「消費者物価地域差指数」

 実際に支払う金額はどうか。総務省の家計調査(2人以上の世帯、品目分類)で、全国の県庁所在地や政令指定都市の計52市について、直近5年(2017~21年)の平均を出した。世帯人数や住居の広さの違いが影響する点に注意して見てほしい。

 電気、ガス、灯油、上下水道などを合わせた「光熱・水道費」は、仙台で年間27万1181円(月平均2万2598円)。高い順に14位だった。冬の暖房に使う灯油代がかさむ北海道、東北、北陸が高いようだ。

 全国トップは山形で35万3923円(2万9494円)。上下水道は8万9385円で1位。電気は4位、灯油などは5位、ガスは11位と各部門が高い。最安の神戸の20万2300円(1万6858円)の1・7倍で、15万円以上の開きがある。

[東北各県の「光熱・水道費」年間支出額]
 (1)山形 35万3923円(2万9494円)

 (2)青森 33万6473円(2万8039円)

 (4)盛岡 31万8642円(2万6554円)

 (5)秋田 31万4744円(2万6229円)

 (8)福島 30万4405円(2万5367円)
(14)仙台 27万1181円(2万2598円)

 仙台の光熱・水道費27万1181円の内訳は電気12万8104円(全体の47%)、上下水道6万4764円(24%)、ガス5万6994円(21%)、灯油など2万1319円(8%)。

 電気代は月平均1万675円となるが、季節変動が大きい。春秋は8000円台に収まるが、厳冬期は1万5000円台に上る。冬は灯油代4000円前後が加わる。

 電気代はこの1年間で大幅に値上がりしている。東北電力で標準家庭(契約電流30アンペア、使用電力量260キロワット時)の場合、4月分の電気料金は8431円。1年前の4月分6895円と比べて、1536円(22%)上がった。発電に使う液化天然ガス(LNG)や石油の価格が急騰しているためだ。再生可能エネルギーの買い取り費用に充てるために電気料金に上乗せする賦課金も上昇している。

「うちエコ診断」の画面。平均世帯との比較結果が示される

診断で現状把握と削減案を確認

 家計への影響を和らげるには家庭内で省エネ対策を進めるのが一番。環境団体「みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)」(仙台市)の吉田美緒さんに相談した。

 環境省認定の「うちエコ診断士」の資格を持つ吉田さんは「現状把握から始めましょう」と「うちエコ診断」のウェブサービスを提案する。

 設問に従い、電気代やガス代を打ち込むと、県内平均との比較結果が出る。さらにシャワーの使用時間、暖房を使う部屋数などを入力すると、おすすめの対策が8項目例示される。採用した場合、いくら削減できるかも示された。

 記者の例では「冷蔵庫の設定を弱くする」と3910円の節減になるという。エアコンを寝る前と出かける前にこれまでより30分早く止めたり、暖房は20度設定にしたりすることも有効だ。シャワーやテレビ視聴の時間を短くするのも一手だという。

 最新の冷蔵庫やテレビ、エアコンは10年前の製品と比べて10~40%も省エネになっている。吉田さんは「家電買い替えの効果は大きくてもすぐにはできないので、まずは今日からできることをやってみては。お得感を感じたり、暮らし方の変化を楽しんだりすることが長続きになる」とアドバイスする。

「うちエコ診断」の画面。省エネ対策と年間CO2の削減量、光熱費削減額が示される

「うちエコ診断」のサイト

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