来年4月からの運行を目指す水陸両用バスの試験運行が20日、宮城県川崎町の釜房湖一帯で行われた。試乗した地元関係者らは、地上から水面に滑り込む迫力あふれる乗り心地を満喫。県内観光の新たな起爆剤になることに期待を寄せた。
水陸両用バスは来年4月からNPO法人の日本水陸両用車協会(東京)が運行させる計画。県や町の観光担当者のほか、釜房ダムを水源とする仙台市水道局の職員など約40人が試乗した。
「船が出るぞー」というガイドのかけ声とともに、バスは出発点の釜房ダム管理所を出発。国営みちのく杜の湖畔公園までの公道ドライブを経て、釜房湖に進水した。乗客たちは、水しぶきを上げながら水上を進むバスに大喜びした。
約1時間半の乗車体験を終え、川崎町碁石小4年伊藤太郎君(10)は「思ったほど揺れはなく楽しかった。湖面から見た蔵王連峰は、普段見ているのとは全然違う景色に見えた」と笑顔を見せた。
協会によると、バス運行により運転手やガイドなど約10人が雇用される見通し。佐藤昭光川崎町長は「ダム湖を活用して雇用創出、観光振興ができるのは素晴らしい」と話している。