汚泥ガスの発電施設を2027年度に本格稼働 仙台・南蒲生浄化センター

仙台市が南蒲生浄化センター(宮城野区)で導入を計画する汚泥由来のバイオガスを使った発電施設について、2027年度の本格稼働を目指していることが19日、分かった。施設は民設民営型で、建設や維持管理は廃棄物処理などを手がける神鋼環境ソリューション(神戸市)が担う。

 発電施設はセンター敷地内に建てる。汚泥を発酵させ、バイオガスを発生させる設備を導入。ガスを発電事業者に売却し、利益を得る仕組みを構築する。

 23年度に設計、24~26年度に工事を進める。発電施設の完成後、半年ほどの試運転を経て本格的に利用を開始する予定。年間の発電量は一般家庭3000世帯分に相当する約948万キロワット時を見込む。

 市からガス発電事業の委託を受けた地方共同法人「日本下水道事業団」(東京)が事業者を選定し、市は3月30日に神鋼環境ソリューションなどとバイオガス発電に関する契約を結んだ。期間は47年度までの20年間で、委託費用は約65億円。

 南蒲生浄化センターは市内で発生する汚水の7割を扱う東北最大規模の下水処理施設。東日本大震災の津波で甚大な被害を受けて復旧工事が進められ、16年4月に本復旧した。ガス発電事業の実施で、市は汚泥を焼却する費用や化石燃料を使う電力の使用量が抑えられ、温室効果ガス排出量の削減にもつながるとみる。

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