沖ノ鳥島など離島保全法が成立

 日本の排他的経済水域(EEZ)の権益を守るため、日本最南端の沖ノ鳥島、最東端の南鳥島(ともに東京都小笠原村)などの離島保全を図る「低潮線保全・拠点施設整備法」が26日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。公布後、3カ月以内に施行する。沖ノ鳥島を「岩にすぎない」と主張、法律制定に反対している中国に対し、日本側の姿勢を明確にする目的もある。
 同法は、もっとも潮が引いたときの海岸線で、EEZ設定の基準になる「低潮線」の周辺水域を保全区域として指定するよう規定。EEZの基点となる島を「特定離島」と定めて国が管理し、護岸工事や港湾などの整備を行うとした。
 政府は、沖ノ鳥島を基点とした大陸棚の拡張を国連に申請しているが、中国は国連海洋法条約では大陸棚やEEZを設定できない「岩」と主張。日本に同条約で定められた通告を行わずに、沖ノ鳥島周辺のEEZ内の海洋調査を実施しており、4月中旬には中国海軍の艦艇が、同島を基点とする日本のEEZ内を航行した。
 南鳥島周辺では希少金属コバルトなど海底資源の採鉱が有望視されており、政府は海洋調査船のための岸壁の新設も行う方針だ。

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