大和証券グループ本社とマーケティングサービス事業を手掛けるベンチャー企業の刀(那覇市)は30日、資本業務提携したと発表した。大和は刀に140億円を出し、出資比率3分の1以上の筆頭株主となる。刀はここから30億円を沖縄県北部で進むテーマパーク構想に投じる。沖縄で、大自然の魅力を体感できるエンターテインメント施設構想が動き出す。
テーマパークは500億~1千億円を投じて建設し、令和4~7年の間の開業を目指す。沖縄県北部の豊かな森に焦点を当てる計画だ。アジアの富裕層を呼び込み、沖縄経済の発展と日本の観光産業の競争力向上につなげる。
大和にとっては、伝統的な証券ビジネス以外の領域に事業を拡大する経営戦略の一環。出資の意義について、同社の荻野明彦専務執行役は記者会見で「テーマパークなどの観光産業の成長率は年率10%を超えるが、十分な資金が回っていないことに着目した」と説明した。
刀の森岡毅社長は「人間の本能を揺さぶるようなテーマパークにしたい。沖縄北部に世界の投資家が注目するきっかけにしたい」と語った。
森岡氏が率いる刀は、マーケティング戦略の専門家集団。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)や丸亀製麺の業績をV字回復させたことで知られている。