沖縄に日米新薬開発拠点…米軍住宅の返還跡

日米両政府が、2015年3月に返還予定の米軍施設「西普天間住宅地区」(沖縄県宜野湾市、約52ヘクタール)跡地に、新薬の研究開発拠点「沖縄メディカル・イノベーション・センター」(OMIC、仮称)を創設する検討を進めていることが27日、分かった。
 米軍が持つ膨大な治療記録の提供を受けながら、日米の製薬会社などが再生医療技術を使った新薬の研究開発に取り組む。両政府が全面協力した新薬開発計画は初めて。
 日本政府関係者が米国防総省や海軍医療センター(カリフォルニア州サンディエゴ)を訪問するなどして協議に入っている。
 計画案では、再生医療技術の活用がOMICの柱の一つとされている。iPS細胞(人工多能性幹細胞)を培養して作られた人工臓器に薬の成分を投与し、効果や副作用の有無を検証し、新薬の開発につなげる。米軍人のけがや病気の治療記録と日本国内の治療データを組み合わせ、〈1〉新型インフルエンザなどの感染症〈2〉心的外傷後ストレス障害(PTSD)――に対応する新薬作りにも取り組む。医療ツーリズムなどを通じ、沖縄に海外の観光客を呼び込む役割も期待されている。

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