沖縄県警に国境離島警備隊を新設 不法上陸事案などに対処

尖閣諸島(沖縄県石垣市)など国境に位置する離島への不法上陸事案に対処するため、沖縄県警は1日、国境離島警備隊を新設した。離島警備にあたる専門部隊の設置は日本の警察で初めて。151人の態勢で、事案が発生した場合は那覇空港から大型ヘリコプターなどで自動小銃を装備した隊員が現場に向かう。

 那覇市の県警本部で発足式があり、警察庁から着任した小林雅哉隊長(40)=警視正=に宮沢忠孝本部長から隊旗が手渡された。小林隊長は「いかなる事案にも適切に対処できる精強な部隊であり続けるよう、訓練を積み重ねる」と決意を表明。隊旗には国の特別天然記念物のカンムリワシが描かれた。

 2012年9月に日本が尖閣諸島を国有化したのを機に、中国の公船が周辺領海や接続水域に侵入する事案が日常的に発生している。沖縄県警の警察官も海上保安庁の巡視船に乗船して警戒を続けているが、武装した漁民らが不法上陸する事案への対処能力を強化するため、政府が全額国費で県警に専門の警備隊を設置した。

 隊員のうち約40人は他の都道府県警からの出向者。輸送用の大型ヘリ1機を今年度中に沖縄県警に配備し、福岡県警にも別の1機を配備する。不法上陸事案が発生した場合、一次的に警察と海保が対処するが、武力攻撃を受ける事態になれば、自衛隊に海上警備行動や治安出動が命じられる。【竹内望、遠藤孝康

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