【ベルリン=宮下日出男】国際サッカー連盟(FIFA)の2011年の年間表彰式が9日、スイス・チューリヒで開催され、昨年の女子ワールド・カップ(W杯)ドイツ大会で初優勝を果たした女子日本代表「なでしこジャパン」主将のMF沢穂希(33)=INAC神戸=が女子最
優秀選手に選ばれた。同代表の佐々木則夫監督(53)も女子最優秀監督に選出された。ともにアジアからの受賞は史上初の快挙となる。
沢は女子W杯で得点王と最優秀選手を獲得し、主将として佐々木監督とともに日本代表を初優勝に導いた。サッカー界で最も権威のある賞でのダブル受賞は、金メダルを狙う今年のロンドン五輪に向けて大きな弾みとなる。
選手・監督部門の受賞者選出はFIFA加盟協会の代表チーム監督と主将、記者による投票で行われた。沢は28.51%の票を集め、昨年まで5年連続で最優秀選手だった次点のブラジルのマルタ(17.28%)に10ポイント以上の差をつけた。佐々木監督は45.57%で、次点の米国のスンダーゲ監督(15.83%)の3倍近くの支持を集めた。
日本サッカー協会は東日本大震災の復興支援や昨年12月のクラブワールドカップ(W杯)開催などが評価され、フェアプレー賞を受賞した。 このほか表彰式では、男子世界最優秀選手「FIFAバロンドール」に、アルゼンチン代表FWメッシ(24)=バルセロナ=が選ばれた。初の3年連続受賞となる。男子チームの世界最優秀監督にはバルセロナのグアルディオラ監督が初選出された。
沢は賞を受け、「このような名誉ある賞を頂き、大変うれしく思う。会長や監督、コーチ、チームメート、家族や友人、今まで女子サッカーに関わってくれたすべての人のおかげだと思っている。この賞を糧に日々精進していきたい」と語った。
佐々木監督は「素晴らしい賞をもらい、少々興奮している。この賞はわれわれなでしこジャパンの総合力、一丸となった(ことへの)評価だと思う」と述べた。