河南省のホテルで盗撮 市内のホテル80%盗撮証言で混乱拡大

中国河南省の省都、鄭州市で、市内のホテルに盗撮用の超小型ピンホール型カメラが仕掛けられていたことが分かり、ホテル関係者が大きな衝撃を受けている。同市内の保険会社に勤務する42歳の男性社員の仕業で、この男は「隠し撮りしたベッドシーンは高く売れるので、悪いとは知りながら、やってしまった」などと供述しているという。

 中国では鄭州市だけでなく、最近では広東省深セン市のホテルでも、同じようなピンホール型の隠しカメラが設置されているのが分かり、大きなニュースになったばかりで、中国国内のホテルの信頼性が問われている。中国紙『新京報』が報じた。

 盗撮用のカメラが最初に見つかったのは同市内の玉泰飯店で、このホテルに泊まったカップルがテレビの下に、細長い金属製のひものようなものが出ているのを見つけ、調べてみると、ピンホール型のカメラだったことが判明。ホテルのフロントの従業員に連絡。ホテルからの通報を受けて出動した警察はホテルを調べたところ、他の5部屋にも隠しカメラが仕掛けられていたという。

 警察はホテル内の防犯カメラの映像をもとに、隠しカメラを仕掛けたのは同市内在住で、保険会社に勤務している男であることを割り出し逮捕した。

 男は犯行が発覚しないように、鄭州市から車で2時間ほどの商丘市内でピンホール型のカメラを購入するほどの用心深さだった。男は金目当てで、玉泰飯店に宿泊した際に、他の5部屋にも忍び込んで、隠しカメラを仕掛けていたという。

 当初は、隠しカメラ騒動は、この玉泰飯店だけの被害で収まったと思われたのだが、事件は意外な方向に展開する。

 このホテルの35歳の男性マネージャーがこの事件について、地元テレビ局の取材を受けた際、「実は被害は私のホテルだけではない。ほかのホテルも調べてみれば、どんどん隠しカメラが出てくるはずだ。鄭州市内のホテルの80%には、隠しカメラが仕掛けられているのだから」と発言したのだ。

 その後、逮捕された男は警察の調べで「他のホテルにも隠しカメラを仕掛けた」などと供述した。

 2人の発言は視聴者の大きな反響を呼び、地元警察も捜査せざるを得なくなり、調べてみると、数カ所のホテルから隠しカメラが発見されたというが、このマネージャーが主張するように「市内の80%」のホテルからは隠しカメラは発見されなかった。警察はこのマネージャーを「社会秩序を混乱させるようなデマを振りまいた」などとして、10日間の身柄拘留の処分を科したという。

 このマネージャーは「私がテレビで発言したことで、他のホテルは大急ぎで部屋を検査して、隠しカメラを取り外したのだ」と主張しており、真偽のほどはやぶの中と言えそうだ。

 ただ、広東省の地方紙『南方都市報』によると、同省の深セン市のほか、広州市などのホテルでも、隠しカメラが見つかったと報じたほか、北京や上海の3つ星以下のホテルでも盗撮騒ぎは起きていると伝えられている。

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