全国の寺社などで油のような液体がかけられた跡が見つかった事件に絡み、千葉県香取市の香取神宮で3月下旬、柱など数か所に油をまいたとして、千葉県警が建造物損壊容疑で米国在住の日本人の男(52)の逮捕状を取ったことが1日、わかった。
防犯カメラに男とよく似た人物が映っていた。男が「神社は悪霊の巣窟。油を注いで清めた」などと話す動画がインターネットで公開されており、県警が関連を調べている。
捜査関係者によると、男は日本国内でも活動する宗教団体の創立 者。頻繁に日本と海外を行き来しており、3月25日に千葉県銚子市で宿泊。同県内ではレンタカーを使って高速道路などを移動していたという。香取神宮では 翌26日朝、油のような液体がまかれているのが見つかった。
また、同神宮から約20キロ・メートル離れた成田山新勝寺(千 葉県成田市)でも同様の被害があったことが4月10日に確認された。男と似た人物が3月25日、新勝寺の防犯カメラにも映っていたことから、県警は男が液 体をまいた疑いがあるとして、近く建造物損壊容疑で逮捕状を取る方針。
県警は4月下旬、男の逮捕状を取って帰国を待っているが、男はニューヨークでの生活を続けているという。よく似た男の姿は、同様の被害を受けた京都市の東寺、奈良市の東大寺などでもカメラに映っていた。