波にもまれ一人前に 「漁師カレッジ」開講

東日本大震災や高齢化の影響で減り続ける漁業の担い手を育成しようと、県と県漁業就業者確保育成センターが企画する「みやぎ漁師カレッジ」の開講式が1日、女川町であった。初の長期研修で、期間は12月までの7カ月間。受講者らは町を拠点に、座学や現場研修で漁業を学ぶ。
県内出身の19~36歳の男性7人が参加。うち2人は漁業の経験がない。漁業者の協力を得ながらノリやカキ、ワカメなどの養殖、定置網漁などのノウハウを習得する。1級小型船舶操縦士などの資格取得の支援も受けられる。
自動車整備士から漁師への転職を目指す津軽圭一さん(36)=塩釜市=は学生時代から漁業に興味を持っていたが、漁師になる方法が分からなかった。実現に向けて「カレッジでさまざまなことを学び、自分の適性を見極めたい。漁師として生きていけるようであれば、いずれは独立して体の動く限り働き続けたい」と意気込む。
県農林水産部によると、県内の漁業就業者は6516人(2013年)で、30年前に比べ約2万人減少した。60歳以上が占める割合は47.8%で担い手の高齢化が進んでいる。県の担当者は「08年から13年の5年間の就業者数の減少率は全国平均を上回った。対策を打たなければ将来的には担い手が半減する」と危機感を抱く。
県は16年度に5日間の短期研修を実施。本年度は長期研修に加え、2回の短期研修も開催する。

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