津波で被災 酒蔵借りて新酒初出荷

津波で酒蔵などがすべて流された岩手県陸前高田市の酒造会社が、内陸部にある会社の酒蔵を借りて新酒を作り、17日、初出荷しました。
岩手県陸前高田市の酒造会社「酔仙酒造」は、昭和19年創業の県内有数の酒造メーカーですが、東日本大震災の津波で、酒蔵や社屋などすべて流され、7人の従業員が犠牲になりました。会社では再建のため、先月から内陸部の一関市にある会社の酒蔵を借りて、仕込み期間の短い濁り酒を作り、17日は新酒の初出荷を記念するセレモニーが行われました。はじめに亡くなった従業員に黙とうをささげたあと、従業員全員で箱詰めされた新酒をトラックに積み込みました。新酒は180ミリリットル入りの缶に入っていて、ラベルには津波で流されずに残った陸前高田市の復興のシンボル「一本松」のマークが入ったシールが貼られています。社長の金野靖彦さんは「『復興したい』というより『被災に挑戦する』という気持ちでやってきた。酒蔵が違うので味も少し変わったが、出来栄えは100点だ」と話していました。17日は、4万5000本が岩手県内のスーパーや酒店などに出荷されたということです。

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