津波の怖さスマホで学んで 宮教大など防災教育アプリ開発

宮城教育大と東北大の研究グループは、東日本大震災の津波被害を疑似体験できるスマートフォン(多機能携帯電話)用アプリ「津波AR」を開発した。震災から3年を経て被災地の復旧復興が大きく進む中、被害の規模などを児童生徒が実感しやすい防災学習教材に仕上げた。
 アプリは東北大災害科学国際研究所などが運営する「津波痕跡データベース」を基に、宮教大環境教育実践研究センターがバーチャルリアリティーの一つ「拡張現実(AR)」と呼ばれる技術を使い作成した。
 津波被災地でスマホのカメラをかざすと、現在の画像に津波高や被災直後の画像データが重なって表示される。地図モードにすると近くの避難所が表示され、安全に到達できるルートの検討が可能だ。
 宮城県南三陸町志津川のパノラマ画像を用いたコンテンツも用意し、現地に行かなくても津波被害に思いをはせられるようにした。
 宮教大環境教育実践研究センター長の鵜川義弘教授は「各学校への貸し出し用スマホを用意している。防災教育現場で役立ててほしい」と話す。アプリはスマホと、衛星利用測位システム(GPS)機能付きのタブレット端末に対応。「宮教大AR拡張現実プロジェクト」のホームページからダウンロードできる。

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