津波の記憶 まず1基 宮城大と石巻専修大の学生が石碑設置

東日本大震災の教訓を後世に伝えるため、津波到達地の石碑建立に取り組む宮城大と石巻専修大の学生が29日、仙台市宮城野区の会社敷地内に第1号の石碑を設置した。震災の日の3月11日にちなんで県内311カ所の設置を目指す。まだ目標の1割余りのため、浸水区域や周辺の地権者に、設置を許可してもらえるよう呼び掛けている。
 最初の設置場所は、同区出花2丁目の看板製造業「サンサイン」の敷地。宮城大事業構想学部の三橋勇教授のゼミ生と、三橋教授が授業を持っている石巻専修大の学生計約30人が集まり、建設業者の設置作業を見守った。
 事業構想学部3年の赤間葉央(よお)さん(22)が「防災意識の向上に役立ちたい」とあいさつ。サンサインの郡山勉社長(64)は「未曾有の大災害を後世に伝える手伝いをしたい」と述べた。
 石碑は地上の高さが80センチ、幅と奥行き15センチの白御影石。正面に「波来(はらい)の地」と刻み、側面には犠牲者への鎮魂と復興支援者への感謝、災害に対する警鐘のメッセージを記した。
 費用は1基5万円で、企業などに購入してもらう。私有地に設置する場合は石碑の裏面に購入者の名前を刻み、公有地の場合は寄付という形で無記名にする。
 設置場所は学生が、地域の人たちの目印になるような場所を調べ、地権者に交渉してきた。これまで約40カ所が決まったが、目標にはまだほど遠い。三橋教授は「津波の記憶を伝えるため、自分の土地に建ててもいいという方に協力をお願いしたい」と話している。
 連絡先は同大三橋研究室022(377)8348。

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