津波堆積土岸壁かさ上げ 仙台港で試験活用 東北整備局

 東北地方整備局は19日、東日本大震災で地盤沈下した仙台港の岸壁のかさ上げ工事で、津波で運ばれたヘドロを再資源化した土を試験活用した。同日、工事現場を報道機関に公開した。
 地盤が約50センチ沈下した同港中野2号岸壁で、345平方メートルのかさ上げに改良土140トン(80立方メートル)を使用した。土は10トントラックで運び込まれ、ブルドーザーやローラーを使って厚さ約20センチに押し固められた。
 同港後背地で再資源化の実証実験に取り組んでいた新日本製鉄が無償提供した。港湾工事での活用を整備局に申し出、事前の強度確認を経て、試験活用が決まった。
 新日鉄は鉄鋼の製造過程で出るスラグを原料にした粒剤をヘドロに加え、高速でかき混ぜることで強度のある土に改良した。製造過程ではヘドロに含まれるがれきなども分別できるという。
 整備局塩釜港湾・空港整備事務所の諸星一信所長は「ヘドロの処理にも貢献できる。品質、コストなどの条件が合えば、利用していきたい」と話した。

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