津波堆積物を地盤材に 東北大グループが実験公開

東北大大学院環境科学研究科の高橋弘教授(エネルギー環境学)のグループは12日、がれき混じりの堆積物を地盤材料として再利用できるようにする公開実験を、大郷町にある民間の建設汚泥処理施設で行った。東日本大震災の津波による堆積物の除去促進と、工事用の土砂不足の解消が図れるという。
 実験は高橋教授らが開発したプラントを運び込んで実施した。プラントは水槽とポンプ、ふるいの役割を果たす装置を組み合わせた構造となっている。
 会場では名取市の津波被災地から持ち込んだ堆積物を使用。水槽から吸引後、ごみと砂、粘土に分ける処理工程が実演された。砂は通常の土砂と同様に土木工事現場などで利用でき、粘土もポリマーと混ぜることで緑化土に、古紙とセメントを混ぜればのり面などの地盤材になる。この地盤材は通常の固化処理土より液状化や浸食に強いという。
 公開実験にはゼネコン関係者ら約60人が集まった。堆積物の処理方法は東北地域づくり協会(旧東北建設協会)の復興支援技術開発事業にも選ばれている。
 高橋教授は「厄介者の堆積物を再利用し復興工事に役立てたい」と話しており、工事関係者らにプラントの活用を呼び掛けている。

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