津波流失、仮設閉鎖…海産物直売所が復活

宮城県漁協塩釜市第1支所の海産物直売所が5日、同市越ノ浦の漁港で営業を再開した。東日本大震災の津波で施設が流失して4年8カ月。仮設店舗での営業 を経て、再建にこぎ着けた。関係者は「新鮮な地元の魚介類を並べ、塩釜のアンテナショップの役割も果たしていきたい」と語る。

直売所の名称は「しおがま千賀の浦市場」。木造平屋で、敷地面積は約300平方メートル。第1支所組合員の赤間水産、いとう水産、共栄丸水産、幸進丸水産が入り、カキやホタテ、ワカメなどの魚介類、加工品などを販売する。
直売所は津波で流失後、中小企業基盤整備機構が2011年8月に同市のマリンゲート塩釜の隣接地に設けた仮設店舗で営業を続けた。ことし5月末で仮設店舗 が閉鎖され、市と協議しながら越ノ浦地区に戻って再開することを目指した。建築費は約3000万円。県の支援事業を活用した。
5日は午前8時にオープン。震災前からのなじみの客が相次いで訪れ、売り買いの声が響いた。
共栄丸水産の水間正夫さん(72)は「一時は商売をする気をなくしたが、仮設店舗に入ることで希望が湧いた。塩釜を訪れる全国の人たちに支えられ、ようやくここまで来た」と話す。
いとう水産の伊藤逸人さん(38)は「4年8カ月という月日は長すぎた。お客さんに早速『戻ってきたね』と言われ、うれしい」と語った。
通常の営業時間は午前9時~午後5時(水曜定休)。オープン記念イベントを7日午前11時に開く。海鮮汁を200杯振る舞うほか、殻付きカキのつかみ取り(200円)を行う。

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