津波被災の宮城県利府・浜田地区 「海の駅・道の駅」整備へ

東日本大震災で津波被害を受けた宮城県利府町浜田地区に、海産物などの販売施設や駐車場、飲食スペースを備えた「海の駅・道の駅」を建設する構想が動きだした。町は復興のシンボルとして町内初となる道の駅を整備し、過疎化の進む浜田地区の活性化を図る。2016年度までの復興計画期間内の事業完了を目指す。
 浜田地区は国道45号、JR仙石線陸前浜田駅に近接する。三陸自動車道の松島海岸インターチェンジが近いなど交通の便がよく、松島町への観光客の往来も多い。
 「復興交流館事業(仮称)」の予定地は、松島湾に面する浜田漁港の背後地など約1.5ヘクタール。国道45号沿いの道の駅として駐車場、トイレ、物販や飲食のスペースを備えた施設を建てる。
 内湾で波が穏やかなことから、ヨットやカヌーといったマリンスポーツが楽しめる海の駅も、併せて整備する方向で検討している。
 町は国道45号の交通量や観光客数の調査を進めていて、年度内に事業の基本構想をまとめ、14年末にも基本計画を策定する方針。事業費は概算で数億円となる見込みで、国の補助事業などを精査する。
 浜田地区は、国の特別名勝「松島」の文化財保護や市街化調整区域などの規制が厳しく、過疎化や住民の高齢化が進む。11年の震災では、浜田漁港を中心に約50棟が浸水する被害があった。
 住民らは13年9月、復興の在り方について主体的に検討会を重ね、道の駅の整備などを鈴木勝雄町長に提言している。

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