津波被災地 観光客入り込み数大幅増

7~9月に宮城県内を訪れた観光客入り込み数が、2014年の同期を7.9%上回ったことが県の調査で分かった。東日本大震災前の10年同期の水準には 4.5%及ばなかったものの、石巻市など津波被災地で大幅増の傾向がみられた。県は期間中に展開した「仙台・宮城『伊達な旅』夏キャンペーン2015」な どが奏功したとみている。

調査は県内の観光客動向を把握するため、観光施設や宿泊施設、祭り・イベント、交通機関の計104カ所を抽出して実施した。
圏域別では、14市町村からなる仙台・松島が12.3%増えた。7月の仙台うみの杜水族館開業や、仙台七夕まつりが好天に恵まれたことが影響した。
津波被災地の三陸(5市町)は23.9%増。石巻市の道の駅「上品の郷」などが好調だったのに加え、石巻川開き祭りなど祭り・イベントが44.7%増とけん引した。5月のJR仙石線全線開通で、利便性が向上したことも後押しした。
これに対し、県北(7市町)は3.4%、県南(9市町)は10.8%それぞれ減った。県南の減少幅が目立つのは、4~6月に蔵王山(蔵王連峰)に火口周辺警報が発令されたためとみられる。
全県の宿泊観光客数は2.0%増で、10年比でも4.6%増加した。県が本年度実施している宿泊代などを割り引く「観光王国みやぎ旅行割引」の影響が大きいという。
県が夏場に観光キャンペーンを展開したのは初めてで、海も山も楽しめる宮城の夏を「体験」「食」「復興」の三本柱でPR。お薦めコースや夏祭り情報を掲載した総合ガイドブックを30万部発行した。

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