津波被災2島に滞在施設 農漁業の担い手育成

宮城県塩釜市は浦戸諸島の桂島、寒風沢島の2島に「ステイ・ステーション」を建設し、13日に開所する。多目的室や宿泊室を備え、漁業や農業の就業希望者の滞在施設として担い手育成につなげる。短期宿泊や研修場所にも活用、島内外の人たちの交流拠点にする。
桂島の施設は旧浦戸二小、寒風沢島は旧浦戸一小の校舎を大規模改装した。ともに鉄筋コンクリート2階で延べ床面積は約800平方メートル。事業費は計約3憶1200万円。
1階に多目的室や相談室、食堂などを設け、2階に宿泊室を6室配置した。復興応援隊として県の業務委託を受けたスタッフと市の非常勤職員の2人が、それぞれの施設に常駐する。
桂島の施設は当面、ノリ養殖に携わる「地域おこし協力隊」の宿泊場所にする。市が希望者を募集中で、採用されれば漁協組合員の下で3年間、研修を積む。短 期宿泊も受け付ける。島を巡るツアーや研修活動、子どもたちの体験学習などを想定。住民のコミュニティースペースにもなる。
浦戸諸島は東日本大震災の津波で大きな被害を受け、漁業、農業の担い手不足が深刻化している。桂島区長の内海粂蔵さん(74)は「高齢化が進む島にとって後継者育成は急務だ。新たに島に住んでもらう人たちをバックアップする」と話した。

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