津波避難をVRで体感 宮城・気仙沼の震災伝承館で7月31日から利用開始

気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館は31日、歩行型バーチャルリアリティー(VR)を使い、津波発生時に徒歩避難する来館者用の疑似体験システムの利用を始める。開発に携わった東北大災害科学国際研究所の佐藤翔輔准教授は「(VRを通して)脚を使った避難の難しさを実感してほしい」と話す。

 プログラムは、海で遊んでいる時に大津波警報が発令され、5分以内に津波避難ビルへの移動を目指す内容。専用の機械に体をベルトで固定し、ゴーグルで映像を見ながら仮想空間を動き回る。移動中はサイレンが鳴り響き、道路では車が渋滞するなど災害時の状況を再現した。

 システムは同館で関係者向けに28日先行公開され、参加した気仙沼向洋高3年畠山菜都さん(17)は「映像がすごくリアルだった」と話した。同館に気仙沼分室を置く東北大災害研と日本総合システム(東京)が、VRシューティングゲームで使用する製品を使って共同で開発した。

 対象は中学生以上。日時は同館ホームページで確認できる。予約も可能。連絡先は伝承館0226(28)9671。

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