洪水危険度表示を統合へ 国交省と気象庁、縦割り解消し一体運用

国土交通省と気象庁が別々に運用している河川の洪水危険度を示すためインターネット上で公開している情報について、統合して一体運用することが22日、分かった。河川の防災情報をめぐっては、気象庁の流量予測が国交省を中心に発表される指定河川洪水予報に全く反映されず、「100年に1度」規模の水位上昇が予測されても生かされないことが縦割り行政の弊害として問題視されていた。 【表】7月の豪雨で「100年に1度」が予測された3河川  河川の洪水危険度を示す地図情報は現在、国交省と気象庁がそれぞれネット上で運用している。国交省は大河川の水位情報を基にした「水害リスクライン」を公表している一方、気象庁は流量予測である「流域雨量指数」に基づき全国約2万の中小河川を対象にした「洪水警報の危険度分布」を運用している。  大河川と中小河川で役割分担をしているが、洪水危険度をレベル別に色分けして表示する点は同じで、気象庁の情報では大河川は国交省の指定河川洪水予報に応じた色付けがされていた。このため専門家からも「分かりにくい」との指摘があった。これらの情報について、両省庁は今後、発表段階では同一画面で統合して表示されるようなシステム変更を行う。時期は決まっておらず、早い段階での整備を目指す。  7月の豪雨では、気象庁の流域雨量指数が氾濫発生の最大9時間前に「100年に1度」規模の水位上昇を予測したが、指定河川洪水予報には反映されなかった。双方が別々に予測を行う運用自体は現在のところ、変更の予定はない。

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