海上運動会、被災地で10年ぶり復活へ

東日本大震災で被災した宮城県石巻市北上町の白浜海水浴場で9日、約10年ぶりに海上運動会が開かれる。現地で8、9の両日に「2日間だけの海開き」を実施する白浜海水浴場再開実行協議会などが、震災後の地域づくりにつなげようと復活させた。参加を呼び掛けている。

◎震災後のコミュニティーの再生へ

運動会の企画には地元の子どもたちも加わった。海上ゴザ走りやヌルヌル相撲などユニークな種目や、ビーチバレーボール、ビーチフラッグといった定番の競技をする。
7月22日には住民でつくる協議会のメンバーや石巻市北上中の生徒有志が集まり、ゴザ走りで使うゴム板の土台作りに取り組んだ。北上中3年佐藤美乃莉さん(14)は「震災後は地域の祭りがなくなった。夏休みにみんなで遊ぶ機会になればいい」と話す。
海上運動会は2002年ごろ、住民有志が2度開いたことがある。協議会は、震災後に三つの小学校が統合されるなどして弱まったコミュニティーの再生を目指し再開を決めた。
協議会の佐藤尚美さん(42)は「みんなが参加できる運動会をもう一度開きたかった。まちづくりには大人と子どもが共に笑い合える環境が大切。多くの人に参加してほしい」と語った。
午前10時~午後2時半。無料で誰でも当日参加できる。
国道398号沿いの海水浴場は延長約300メートルの砂浜が広がり、遠浅で穏やかな波が特徴。震災前の10年は1万人超の海水浴客が訪れた。砂浜は震災で面積が激減したが、6割程度まで回復した。
協議会は13年8月、にぎわい創出を目的に2日間だけ海開きした。同様に実施した翌年と合わせ、1000人以上が訪れた。
海開きは午前9時~午後3時。足洗い場や仮設トイレ、女子更衣室などを用意する。連絡先は白浜海水浴場再開実行協議会080(8200)0688。

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