東日本のカツオ漁がおかしい。例年なら茨城や福島沖まで北上しているはずの魚群が伊豆諸島八丈島付近にとどまっている。
影響で全国有数の水揚げ量を誇る宮城県石巻港は5月の水揚げがゼロ。近海の低温が原因らしい。
カツオ漁は通常、4月中旬~8月中旬、黒潮に乗って南洋から青森県八戸沖付近まで北上するカツオを狙って行われる。ところが、今年は北緯33度以北の太平洋にセ氏10度前後の低温の海水が張り出し、魚群の北上を妨げている模様。
極度の不振に見舞われた石巻魚市場関係者は「初水揚げが6月にずれ込んだのは記憶にない」。初水揚げが遅れると漁期も短くなるだけに深刻だ。
例年は東北に水揚げするカツオ船も、漁場に近い千葉県勝浦港などに入港。同港では1日現在の水揚げ量が4350トンと、不漁だった昨年の同時期を1900トン上回る。ただ、魚群は小さく散らばり、魚体もやや小ぶり。勝浦漁協は原因について「低水温のせいでは」とみる。千葉県銚子港では水揚げが始まったが、量が少ないため、昨年より高値で取引されているという。