東日本大震災の津波で激減した松島湾の海草「アマモ」の再生に取り組む松島湾アマモ場再生会議(塩釜市)は、種まきを塩釜港などで実施した。約80人が参加し、豊かな海の再生の願いを込めた。
参加者は採取したアマモの種を手作業で選別した後、土と混ぜてヤシガラでできた海中育成用のシートに挟み込んだり、粘土に埋め込んだりして、塩釜湾と浦戸諸島・桂島に散布した。
今年は初めて、一部の種を土に混ぜ込む際に、アマモの生育を助けるとされる鉄分を含んだ粒子と液体を加えたものを試験的に作製。育ち具合を比較して今後の活動に役立てる。
参加した利府二小1年の大場渓登(けいと)さん(7)は「種を選ぶのは難しかったけど、楽しかった。海がきれいになればうれしい」と話した。
再生会議の桑原茂会長は「アマモは海のゆりかごで、『ブルーカーボン』と言われる二酸化炭素吸収源にもなる。小さな活動かもしれないが、海洋環境を良くする活動が次の世代にも伝わればいい」と語った。種まきは9日にあった。