海面上昇「東京もリスク」 WMO、温暖化でペース加速

世界気象機関(WMO)のペッテリ・ターラス事務局長が8日までに共同通信の単独インタビューに応じ、地球温暖化に伴う海面上昇が将来も続き「標高の低い島国だけでなく、東京や米ニューヨークなど沿岸の大都市にとって大きなリスクとなる」と警告した。上昇ペースが速まっており「われわれは海面上昇との闘いに敗北しつつある」と危機感をあらわにした。

 ターラス氏は、1971~2006年に年平均1.9ミリだった上昇のペースが、13~22年は2倍超の4.5ミリにまでなったと説明。「産業革命以来の気温上昇を1.5度~2度に抑えたとしても、海面は長期間にわたって上昇を続ける。世界の人々の暮らしや経済にとって大きなリスクとなる」と述べた。南極の氷床の溶解に関する米航空宇宙局(NASA)の研究によれば、上昇幅は従来の予測を上回る恐れがあると指摘した。

 WMOは、5年以内に一時的ではあるが世界の平均気温が産業革命前より1.5度高くなる可能性があると試算しているという。

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