浸水農地で綿花初収穫 名取の農業法人 来春にも商品化

 東日本大震災で津波被害を受けた宮城県名取市下増田の農地で6日、地元の農業法人「耕谷アグリサービス」が作付けした綿花の収穫作業が始まった。塩害に強いとされる綿花で農業再生を図ろうと、紡績会社やアパレル業者の支援を受け、栽培に取り組んできた。収穫物は来春にも商品化される。
 奈良県から来たボランティア約25人も作業に協力。水田だった約40アールの綿花畑で、真っ白に膨らんだ実を一つ一つ丁寧にもぎ取った。収量は予想を下回る見通しだが、綿の毛足が長く、品質は上々という。
 綿花栽培は、41の団体・会社が参画する「東北コットンプロジェクト」の協力を受けた。大正紡績(大阪府)が、通常の3倍程度の値段で全量を買い取り、協力するアパレルメーカーなどが商品企画を担う。
 アグリサービスの佐藤富志雄専務は「無農薬での栽培にこだわった。来年は面積を2倍程度に広げたい」と話した。綿花は仙台市若林区荒浜の農地1.2ヘクタールにも作付けされており、26日に現地で収穫祭を行う予定。

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