電通総研が16日発表した2010年秋の消費気分調査によると、1年前と比べたモノやサービスにかけるお金の使い方について「増やすところと減らすところのメリハリをつけた」「総じて増やしている」といった回答が前回調査(6月)とほぼ同じ割合にとどまった。09年3月の調査開始以来、上昇傾向にあったが、電通総研では「株安や円高などによる先行き不安が影響しているのではないか」と分析している。
支出について「メリハリをつけている」との回答は28・9%で、前回6月の調査よりも0.7ポイント下落、「増やしている」との回答は6.6%で0.4ポイント上昇した。また、節約の意識の設問でも「いつも意識している」との回答が31.0%と前回調査よりも2.6ポイント上昇。節約意識が強まっていることを浮き彫りにした。
景気が低迷する中、もともと消費者の節約意識は強いが、足下では、「節約疲れ」からくる消費の回復傾向が表れていた。ただ、円高や株安による景気の先行き不安が指摘されるようになり、消費者の意識にも徐々に警戒感が強まっているようだ。 この調査は今月4、5日、全国の20~69歳の男女1000人を対象にインターネットを通じて実施。09年3月から3カ月ごとに消費者の支出や節約、贅沢の意識を調べている。