消費者物価2・1%上昇 円安加速なら3%予測も

総務省が24日発表した5月の全国消費者物価指数(令和2年=100、生鮮食品を除く)は、前年同月比2・1%上昇の101・6だった。伸び率は約7年ぶりの大きさとなった4月から横ばいで、ウクライナ危機による原材料価格の高騰や、急速な円安進行が輸入物価を押し上げた。食料など生活必需品の値上げは今後も続き、円安がさらに加速すれば3%の大台に届くとの見立ても出ている。 【6月以降の主な値上げリスト】食品に光熱費…他には? 指数が前年水準を上回るのは9カ月連続。伸び率は政府や日本銀行が物価上昇の目標として掲げる2%を2カ月連続で突破し、国内物価は高止まりしている。 政府の物価高対策による燃油価格の激変緩和措置の効果もあり、ガソリンや灯油、電気代といったエネルギー(17・1%上昇)の伸び率は2カ月連続で鈍化したが、依然として高水準にある。食用油や菓子類など生鮮食品を除く食料(2・7%上昇)や、家電などの家庭用耐久財(7・4%上昇)は値上げが強まった。 農林中金総合研究所の南武志理事研究員によると、春以降の原油高や円安の影響で、夏場にかけ電気代やガス代がもう一段上昇する可能性が高い。また、外食や食料品、日用品など幅広い分野で値上げが見込まれ、伸び率は「今年度半ばにかけ一時的に2%台後半まで高まる」と予想する。 こうした物価高を助長するのが輸入物価を押し上げる円安の加速だ。24日午前の東京外国為替市場では、米国の景気後退懸念が材料視され円相場は1ドル=135円前後とやや円高方向に振れたが、米国の金融引き締めに伴う日米の金利差拡大で当面は円安基調が続く見通し。BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「140円台半ばの円安が続いた場合、一時的に3%インフレになる可能性がある」と指摘する。

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