東京・渋谷に「日本初」だというバナナの自動販売機が出現した。自販機でバナナというと意外だが、1日で売り切れてしまうこともあるといい、かなりの人気。設置した青果販売会社の担当者も「今後は大学やオフィスにも設置し、バナナ以外の果物も扱いたい」と意気込んでいる。
2010年6月23日、半蔵門線渋谷駅3番出口に直結したビルに見慣れない自動販売機が設置された。
バラ売り一本130円、ひと房390円
バナナの自動販売機が話題だ。
バナナの自動販売機が話題だ。
飲み物などの自販機と同じくらいの大きさで青と白を基調にしたデザイン。果物の製造・販売を行っている「Dole(ドール)」社が設置したもので、「日本初」の「バナナ自動販売機」だという。
同社のリリースによると、普段忙しくてフルーツ取りたくても取れない、1人暮らしの学生や社会人をターゲットにした。朝食の時間がないときや、小腹を満たしたいときに気軽にバナナを買えるのが特徴だ。
バナナは、同社で扱っている、さっぱりとした味が特徴の「ボビーバナナ」という商品を採用した。1本だけのバラ売りタイプが130円で、 4~5本の房タイプ(600グラム)が390円となっている。
自販機内の温度は、バナナの保管に最適だという13度に設定。さらに、商品購入の際、受け取り口にゴロンとバナナが落ちてくるのではなく、傷まないよう、ベルトコンベアで商品を優しく搬送する仕組みになっている。自販機の脇には、皮を捨てるためのゴミ箱もおいてある。
自動販売機でバナナということで、ネット上でも注目を集め、ツイッターや2ちゃんねるには、「見に行ってみよう」「近所に欲しい」といった書き込みや「腐っちゃうんじゃないの?」といったものが寄せられた。
スポーツクラブや今後はキャンパスにも
ドール社マーケティング部の担当者によると、月水金の大体2日ごとに、商品補充と売れ残りの回収を行う。「週3回入れ替えるので、鮮度の点は安心です」と語る。
23日に設置されてからまだ約1週間だが、売れ行きは好調のようだ。28日(月)に補充された1本売りタイプの64本は、翌29日の昼には完売。房タイプも1日で36パックのうち、約半数が売れた。ネットで注目されたことで、携帯で自販機の写真を撮影していく人もいるという。
バナナにはビタミンやミネラルが豊富に含まれており、1本で90キロカロリー前後と、かなりヘルシーだ。
「日本人1人当たりの果物の消費量は、アメリカ人1人当たりの約半分。欧米では、街中やキャンパスで、リンゴやバナナをカジュアルに食べるという習慣がありますが、日本もバナナ自販機の登場で変われば」
と話している。
バナナ自販機は、23日から東京稲城市若葉台のスポーツクラブにも設置されており、そちらも渋谷ほどではないが、好調な滑り出しだという。今後は、大学キャンパスやオフィスビルなどへの展開を予定。バナナだけでなく、パイナップルやオレンジなどの自販機販売も検討中だとしている。